我が家では妻の強い希望により無痛分娩で出産しました。結論から言えば、僕たちは
無痛分娩を選択して本当に良かったと思っています。
しかし最近、無痛分娩に対して否定的な報道がとても多いのが気になります。無痛分娩による事故が起きているのは事実なのですが、無痛分娩の悪い面だけを強調して報道されているように感じるからです。
僕は無痛分娩を誰にでも勧めるつもりはありません。ただ、良い面もたくさんある無痛分娩を否定的な報道だけを見て選択肢から排除してしまうことには反対です。
今回は、うちの妻が実際に無痛分娩した体験を元に、そのとき感じたメリット・デメリットについて記事にしたいと思います。無痛分娩に対する一つの意見として、これから出産を迎える妊婦さんのお役に立てれば幸いです。
【注意】
僕は医師でも助産師でもありません。今回の記事は妻が無痛分娩を受けるまでの間に病院などで見聞きした情報や妻自身の体験を元に書いています。なるべく正しい情報を掲載しようと心掛けていますが、情報が間違っていたり古かったりする可能性は捨て切れないことをご了承下さい。またこの記事に書いてあることで読者の方が不利益を被っても一切責任は持てませんので、必ず専門医に相談の上、無痛分娩を受ける受けないの判断を含め、全て自己責任で行って下さい。
無痛分娩とは?
無痛分娩 とは分娩の痛みを緩和する医薬的手段である。心理的無痛分娩法としてはラマーズ法(Lamaze Technique)、ソフロロジー式分娩法、ヒプノバーシング(en:HypnoBirthing)が知られ、麻酔分娩としては分娩第2期の硬膜外麻酔法、仙骨硬膜外麻酔法、陰部神経ブロック、傍子宮頚管ブロックが知られている。麻酔分娩は微弱陣痛を起こしやすいことが知られている。適切な設備と医師のもとで行えば、自然分娩と比較して危険というわけではなく、欧米ではこちらが主流であり、日本とは逆に自然分娩は希望した場合に行われる。しかしながら日本では、麻酔科医が極端に不足しており、その麻酔科医もがんの手術のような死の危険のある病気に優先的に回されており、無痛分娩を希望してもかなわない場合が多い。イギリスやドイツ、シンガポールでも、帝王切開も含めた分娩全体の2~6割程度が無痛分娩である。 (中略)
出典:Wikipedia
つまり超ざっくり言えば、麻酔を使って痛みを軽減しながら行う出産方法ですね。
ここにも書いてある通り、日本ではまだ特殊な出産方法と思われてますが、欧米では無痛分娩が主流なのです!
彼らからしたら「え?あんなに痛いのにまだ麻酔無しで出産してるの?マゾか」と思われてるかもしれません。たしかに手術はもちろん、ちょっとした歯の治療にだって麻酔を使うくせに、超〜痛い出産で麻酔しないなんて矛盾してますよね
我が家が無痛分娩に決めた理由
うちが無痛分娩を選択したのは妻が極度のビビリということが第一の理由です。
以前TBSの「水曜日のダウンタウン」で 出産の痛みがどれくらい痛いか? を表現する為に、北斗晶さんに「人生で痛かったランキング」を決めてもらうという企画をやっていました。
妻と見ていたそのランキングが以下の通り。
10位 大森ゆかりの空手チョップ
9位 長与千種のランニングスルー
8位 牛のアッパー
7位 レジー・ベネットのボディプレス
6位 新聞配達のバイクに轢かれた
5位 アジャ・コングの裏拳
4位 クワが頭に刺さって大流血
3位 豊田真奈美戦で場外フェンスに激突し膝の骨が見えた時
2位 出産
1位 パイルドライバーで首の骨を骨折、頭蓋骨に穴を開ける手術をした時
この放送を見た後、妻は「産むなら絶対、無痛分娩!」と心に強く決めたそうです。
北斗晶さんの表現が果たして正しいのか?男である僕には一生わかりませんが、こんなこと言われたら誰でもビビりますよね
無痛分娩のメリット・デメリット
冒頭でもお話しした通り、僕たち夫婦は無痛分娩を選択して本当に良かったと思っています。ここではうちの妻が実際に身をもって体験し感じたメリット・デメリットについてご紹介していきます。
【メリット1】痛みが和らぐ(約10分の1になる)
無痛分娩という名の通り麻酔で痛みを和らげることができる、なんと言ってもこれが一番のメリットでしょう。
しかし痛みは完全になくなるわけではありません。
10分の1くらいに弱められるのです。
理由は麻酔を効かせ過ぎちゃうと力が入らなくなって息むことが出来なくなってしまうから、わざと麻酔を弱めに入れるらしい。
まあそれでも痛みが10分の1になるなら、いいですよね。
で、麻酔が効いて分娩台に横たわる妻に
「痛みどお??」
って聞いたら
「めちゃくちゃ痛い!(泣)」
って言ってました(笑)
痛いんかーい!
麻酔が効くことで耐えられないレベルでは無くなるものの、それでも十分痛いらしいです。妻は
「麻酔無しで出産とかする人、まじ神だわ〜」
と言ってました。
【メリット2】たくさんのスタッフがいるので逆に安全
無痛分娩にはたくさんのスタッフが必要です。
なぜなら麻酔を使って痛みを和らげる為、麻酔を打った後に母体の容体に異変がないか集中管理し、仮に異常があった場合でも素早く対処出来るように万全の体制を組む必要があるからです。
無痛分娩での事故は、ほとんどの場合が十分なスタッフがいない状態で行っており、妊婦の容体の変化に気付くのが遅れたことが原因なのだとか。
一方、うちがお世話になった愛育病院のように無痛分娩を専門でやっている病院の場合、それ用に予めたくさんのスタッフを配置しています。それだけたくさんの目で妊婦の容体の変化をチェックしているので、仮に何かトラブル※が発生しても迅速に対応することができるのです。
つまり常に完璧な医療体制が維持されているので、かえって安全な出産だと言えます。
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【メリット3】帝王切開への移行がスムーズ
妻が妊娠するまで帝王切開ってレアケースだと思っていたのですが、実は頻繁にあるんだそうです。知ってました?奥さん
どれくらい頻繁かというと全出産の25%近く、つまり4〜5人に1人は帝王切開で出産しているんだって!ワーオ!
なぜなら、お母さんの出口より赤ちゃんの頭が大きければダメだし、赤ちゃんが回転する方向を間違えても出てこれないし(赤ちゃんは回転しながら知恵の輪解くみたいにギリッギリで出てきます)、とにかくちょっとした原因で普通分娩が危険と判断されたら、やむを得なく帝王切開になってしまうんだそうです。
しかしそのような場合でも、無痛分娩をしていれば既に麻酔が効いた状態なので、スムーズに帝王切開に移行できます。また、たくさんのスタッフで対処できるのでやはり安全なのだそうです。
このことは僕たちにとっても安心材料でした。というのも、うちの子は3800gを超えていて、しかも僕に似て頭がデカかったのです。にも関わらず、妻の骨盤がやや狭めなので、生まれる直前まで
「8割がた帝王切開になります
覚悟しといてね」
って言われてて、妻と共にビビっていたからです。
ちなみに赤ちゃんが通りやすいかどうかは骨盤の広さというよりも、骨盤の形による部分が大きいようです。昔はよく大きなお尻の女性は”安産型”と言われてましたが、単純にお尻が大きければ良いというわけではないみたいです。
うちの妻も昔から”安産型”と言われ続けてきたのに、いざ調べてもらったら「骨盤が狭い」と言われて驚いてました。
【メリット4】子宮口が開きやすくなる
最後の最後まで帝王切開を覚悟していた妻が、ギリッギリのところで下から産むことが出来たのは、紛れもなく無痛分娩のお陰です。
というのは、麻酔の副次的効果で身体の筋肉が弛み、子宮口が開きやすくなるんだそうです。
まさに妻がこのケースで「ほぼ通らないだろう」と思われていた赤ん坊の頭がスルリと抜けてくれたのです!
出産後、お医者さんから
「いや〜危なかったね
コレ無痛分娩じゃなかったら、確実に帝王切開だったよ」
と言われました。あっぶね〜
【デメリット1】そこそこ痛い
無痛分娩についてのデメリットは妻の場合あまり感じてませんでした。
・・・が、強いて言うとすれば
無痛分娩でもそこそこ痛いことですね。
無痛分娩という言葉から、初めからずっと麻酔を入れてくれて痛くない出産だと思っている人も多いと思いますが、子宮口がある程度開くまでは麻酔を入れてくれません。
なぜなら、あまり早く入れるとせっかく開いた子宮口がまた閉じちゃうからです。
なので、麻酔を入れてくれるまでは普通に陣痛の痛みが続きます。そしてその痛みがもう死ぬかと思うくらい耐えられないレベルだったらしいですね。
通常分娩の場合はその痛みがずっと続くわけですが、無痛分娩の妻は子宮口が4センチ位に開いたところで耐えきれず麻酔を入れてもらっていました。
そして、麻酔を入れてもらって痛みが10分の1になったとしても、前述の通りそこそこ結構痛いみたいです。
【デメリット2】費用が高い
無痛分娩自体の費用は14万円くらいでした。
しかし、無痛分娩で有名な病院はそれ以外の費用の水準がどれも高めで、うちの場合は入院〜出産〜退院までの合計でおよそ85万円くらいかかりました。
この金額は病院にもよりますし、行った処置や入院日数・帝王切開の有無などによっても変わるので一概には言えませんが、ものすごく安い病院で通常分娩すると40万円くらいで済ませることも出来るそうなので、それと比べれば確かに高いですね。
でも上で述べた通り、無痛分娩にはそれ以上のメリットがたくさんあります。そもそも安全に無痛分娩を受けられるような実績ある病院ではスタッフの数を増やすなど基本コストがかかっているので致し方ない部分もあるでしょう。
なので、この金額を高いと思うかどうかはあなた次第ということになります。
よく語られている「マイナスイメージ」について
無痛分娩に消極的な日本では、無痛分娩に対して様々なマイナスイメージがあるようです。しかし本当にそのイメージは正しいのでしょうか?
ここではよく語られているマイナスイメージについて、僕たちが病院で聞いて納得した説明や実際の体験をレビューしたいと思います。参考になれば幸いです
無痛分娩は危険なのか?
さきほどもお伝えした通り、無痛分娩での事故の多くは無痛分娩に対する経験値の少ない病院で、必要な人手などを準備していない中で行われたものです。
逆に実績のたくさんある病院ではたくさんのスタッフで母体と胎児の状態を集中管理して行われているので、事故はほとんど無いそうです。
そもそも ”出産” はそれ自体が大変危険なものであり、通常の分娩でも一定の確率で母子いずれかの命が危険にさらされています。
その中で無痛分娩だけが特別に危険だとは言えないのではないでしょうか?
脊髄近くに刺す麻酔が危険なのでは?
うちの妻が受けた麻酔は硬膜外麻酔という麻酔です。確かに脊髄の近くに打つ麻酔なので、僕も最初は
え?大丈夫なの??
って思ってました。
しかしこの硬膜外麻酔は手術などで普通に使われる手法で、帝王切開の時にも用いられる麻酔なのだそうです。
つまり帝王切開することになってしまったら使われる手法なわけですし、特別危険というものではないと思います。
産んでいる感覚が無いのでは?
妻「バリバリあります!」
だそうです。
前述の通り、使用する麻酔は弱いものなので痛みもあるし、産んでる感覚もあるそうです。
うちの子は頭でかかったので、それが抜ける時の
ズルンっ!
って感じも味わえたそうです。まあ、これも人によるとは思いますが。
痛みに耐えず産んだら、可愛がれないのでは?
うちの妻はどちゃくそ可愛がってます。これは産んでる感覚があったからということではなく、彼女の場合は帝王切開で産んだとしてもきっと変わらず可愛がっていると思います。
「痛みと引き換えに産むことに意味がある」と思っているコウノドリの南沢奈央ちゃんみたいな人はもしかしたら可愛がれないのかもしれません。つまりその人次第ということですね。
まとめ
無痛分娩での事故ばかりがクローズアップされている報道が多いので、今回はその反対意見として、私たち夫婦の体験や見聞きしたことを元にお話させて頂きました。
無痛分娩にはたしかにデメリットが存在するけど
それを上回って余りあるほどのメリットがある
これが実際に無痛分娩を受けてみた僕たち夫婦の感想です。
無痛分娩を受ける上で最も重要なのは、母子の状態を集中管理できるだけの体制が整えられていて、たしかな技術力のある病院を選択することだと思います。
無痛分娩を検討している妊婦さんは、ぜひ病院の話を聞いたり、とことん調べたりしてご自身で納得出来る選択をなさって下さい。
あなたのお産が安全で良いものとなることを陰ながらお祈りしています。
以上、無痛分娩は本当に危険なのか??実際に体験して感じたメリット・デメリットでした!
おしまい
我が家が無痛分娩を受けた病院について
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